概要
研究室に転がっていた古い扇風機を分解したよという日記.全体的にほこりっぽいのでご注意ください.
分解

もともとの写真は撮り忘れました.
土台

中からは回路.ブザー.スイッチ,コントローラ. トランジスタはインバータ?3つで出来るんだっけ?何用なのかよく分かりませんでした.

モータ
モータの部分はくまとりだと思ってたら三相誘導式ぽくて感動.ボロボロのわりにちゃんとしてる.



太い円柱になっている部分がちょうどステータにはまるブラシレスモータだったらしい.周りのコイルが三相磁界を発生させる.
首振り機構

首振り機構の動力もモータから取っていました.モーターシャフトに繋がったギアが回転し,

裏側のギアが回転し,

台に固定された金具によって首が振れます.電子制御されていないのに巧く出来ている物をみると感動しますね.
誘導モータって?
誘導モータとは回転磁界を作ってモータを回すタイプのモータです.
例としてアゴラの円盤がわかりやすいです.
誘導電動機の基本原理,アラゴの円盤,等価回路,主な構造 -公益社団法人 日本電気技術者協会

赤矢印: 磁束方向, 黄色矢印: 電流方向)
地面に水平な円盤と、円盤の中心を通る垂直な軸があるとします.磁石を軸の周りに(時計回りに)動かしていくと,磁束が円盤を切ることになります.

このとき,磁石の進行方向(青矢印)側は磁束が近づいてくるので,右ねじの法則からそれを打ち消す向き,すなわち反時計回りに渦電流が流れます.逆側は逆に磁束が遠ざかっていくので,時計回りの渦電流が流れます.結果,図のように電流が流れます.

赤矢印: 磁束方向
この状態でもやはり磁束は上から下へ向かうので,円盤はフレミング左手の法則に従って磁石の移動方向と同じ方向に力を受けます.
実際には磁石を回すのではなく磁界だけを回せば(回転磁界)円盤を回転させられます.誘導モータは同じように動きます.
交流電流による回転次回発生の仕組み -公益社団法人 日本電気技術者協会
三相誘導モータとくまとりコイル型単層誘導モータとは?
回転磁界を発生させるためには,磁束方向が3方向あるといい順番に磁束を発生させればいいだけだから,というのが三相です.
でも写真のようにコイルを複雑に取り付ける必要がありますし,回転磁界を作るために多少複雑なインバータが必要になります.

もっと単純にしたい,そんなとき,「単相の正弦波でも回転に見えなくもないじゃん」ということで使われるのが単相誘導モータです.これでも問題無く回転しますが,単体ではスタート回転(始動)ができません.そこで様々な方法がありますが,その一つがくまとりコイルを取り付ける方法です.
くまとりコイルがある部分はスタート時に短絡電流が流れて,磁界に遅れが生じ,始動トルクを発生できます.
誘導電動機の単相誘導電動機、誘導発電機 -公益社団法人 日本電気技術者協会
日記なのでまとめとか特にありませんが,
厳つくてかっこいいですね.一回ちゃんとしたモータを設計してみたいんですけど,がっつりしたコイルとか磁心鉄心を個人で発注するのは厳しいものがありますね.アラゴの円盤,授業でやったのは1年半位前,本で読んだの半年前なんですけど,2回やったのにあんまり覚えてませんでした.無念.
あと図がパワポというのも負けた気分です.もっと格好いいイラストを用意したかったんですが,楽に素早く書くなら結局慣れてるツールを選んでしまいますね.