「研究などでpythonを使って計算したりグラフ描画したりしたい人のための基礎事項まとめ本」でした。
科学技術計算のためのPython入門――開発基礎,必須ライブラリ,高速化 技術評論社 中久喜 健司 (著)
期間: 2019年9月4週目~10月1週目くらい
内容(個人的まとめ)
- pythonプログラミングの例
- IPython,Spyderなど
- pythonの基礎事項
- NumPy
- pandas
- SciPy
- Matplotlib
- 高速化
特徴
科学技術計算でPythonを使用したいと考えている方に向けた本になっていました。特定の何かをしようというものではなく、例が豊富で実行しながらpythonでできることを一通り網羅的に紹介して貰える本です。
感想
(参考として)読む前:pythonのフロー制御とモジュールを使って簡単な計算を自動化するプログラムが作成できる程度の知識がありました。一方で、Open CVなどその時々に必要なモジュールがないかググり、Qiita等に書いてある範囲内で使用することしかできませんでした。
全体
読む以前から多少の知識がある状態で、基本事項を改めて確認し直したい私にはとてもちょうどいい本でした。もしかしたらpythonを書いたことのない方には難しいかもしれませんが、例が豊富なのでひとまず読むことはできるかと思います。
公式リファレンスを読むのはまだ重い...という私と同じような方におすすめです。
1. pythonプログラミングの例
プログラムを書き、テストし、高速化して利用するという流れを一通り見せてくれようとしている章でした。作業フローを教えてくれる本はあまりであったことがなかったので貴重です。
例としてロケットシミュレーターを挙げており、公開されているコードを落としてこれるので実行しながら読み進められるはずです。が!地図をプロットするmatplotlib.basemapがエラー吐きまくりだったのでコードの実行はあきらめました。
2. IPython,Spyderなど
私はJupyter Notebookで普段書いています。Jupyter Notebookで書くとグラフや画像がその場で表示されるしTab補完もできるのでで重宝しています。
IPythonとはどんなものか、Spyderとは何かといった、知らなくてもどうにかなるが知っていると便利、でもわざわざ調べないことが書いてあり有難かったです。
3. pythonの基礎事項
一応知っていた内容が多い部分でした。「インデキシングとスライシングっていう名前の上での分類があったんだー」というような、教科書改めて読むと面白いという感じの内容です。
4. NumPy
NumPyいつもimportするけどnp.piしか使わないじゃん、と思っていた俺を殴りたい。多次元配列ndarrayとはどのようなものか、何がいいのかということを、例を実行しながらイメージできました。
5. pandas
よく聞くpandasとNumPyの違いとは何か、どんな時にpandasを使えばいいのか、なんとなく分かった気になれます。主にデータ型Series,DataFrame,Panelsに関して書かれています。
ただし、Panelsに関しては、「将来的になくなるよ、使わない方がいいよ」と警告してもらったので(下記)読み飛ばしました。本の悪い部分は情報の更新がわからないことなので仕方がないですね。
Panel is deprecated and will be removed in a future version.
The recommended way to represent these types of 3-dimensional data are with a MultiIndex on a DataFrame, via the Panel.to_frame() method
Alternatively, you can use the xarray package http://xarray.pydata.org/en/stable/.
6. SciPy
SciPyの項目では、以下の項目について例を挙げていました。
- 統計関数
- 離散フーリエ解析
- ボーデ線図
- データの内挿(グラフに近似線を追加するなど)
- デジタル信号フィルタの設計
- 行列の分解
7. Matplotlib
使いたいときにググればいいと思い、読み飛ばしました。
8. 高速化
自分が今必要としていない部分だと思いましたので、読み飛ばしました。